今日は、昔私がいただいたクレームについて。
教室の若い講師と接していて、親御さんとのコミュニケーションで「もっとこうしたら良いのになぁ」と感じる事もありますが…
昔の自分を振り返れば、経験不足ゆえに失敗したことが山のようにあります。
今から20年ほど前、以前教えていたMちゃんとの出来事です。
Mちゃんはその頃1年生くらいだったかと思います。
とても不器用なお子さんで、なかなかお指が動かず教本も進みません。
最初の頃はレッスンにお母さんもついてきてくれましたが、途中からは送迎だけとなりました。
そしてある日のレッスンでMちゃんにお指の番号を指導していた時のこと。
Mちゃんがあまりにお指を間違えるので、二人で楽しく「爪に番号書いちゃおうか!」と言って、黒ペンでかわいい爪に数字を書いたのです。
いつものようにごく普通にレッスンが終わったのですが、夜になってなんとMちゃんのお母様からクレームのお電話が。
「うちの子の爪に、先生が数字を書いたとは何事ですか?いくら弾けないからって、あんまりです…」
このようなニュアンスのお電話でした。
私はただただ驚くばかりです。書かれているMちゃんも楽しんでいるように見えていたのですから。
その後お母様には一応状況を説明しつつ、誤解を招くような行動をしていしまったことを謝罪しました。その後も数年はレッスンに来ていたので、丸く収まった気はします。
その時は、気づけなかったこと。
日頃のレッスンでお母さんに対して
「今のお子さんでも(ピアノに関して)大丈夫です。少しずつ、進歩できています。今のMちゃんの成長ぶりを私とお母さんで見守りましょう」と安心させるようなメッセージを発信できていなかったのだと思います。
なのでお母さんからしたら、「弾けない娘に罰のように爪に数字を書いた先生」と映ったのでしょう。
もしくは、あまり上手に弾けない娘を先生は好ましく思っていないと感じたのかも知れません。
いずれにしても信頼関係が築けていなかったのですよね。
お母さんが家で練習に口出しをしてかえって悪影響を及ぼす、こんな場合もお母さんはお母さんで必死なのですよね。
そんな時こそ、安心させ、子供を自由にしてあげる事も大事です。
小さいお子さんのピアノレッスンは、ママとのほどよい連携プレーが必須ですね。