今日は、「守・破・離」という言葉についてピアノに置き換えて考えてみます。
「守・破・離」(しゅはり)とは、私の好きな言葉です。
とても理にかなっており納得できますし、日本人ならではの言葉の選び方にも惹かれます。
そして、元来使われた武道・茶道以外の様々なシーンにも当てはめることができます。
「守」
師や流派の教え、型などを忠実に守り、繰り返し、確実に身につける。
「破」
他の師や流派の教えも考え、良いものを取り入れ、徐々に基本を破り発展させていく。
「離」
型や教えから徐々に離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる。
わかりやすく言うと、まず模倣する。
それから自分のオリジナルを混ぜてみて、最後に新しいものを作っていくということですね。
ピアノレッスンにもあてはまります。
例えば生徒さんの、ピアノの指使いにクローズアップして考えてみましょう。
「守」 一般的指使いを忠実に守る。
「破」 版の違う指使いを試してみる。
「離」 生徒自身が、自分の手の大きさに合わせた指使いを試してみる。
となりますね。
ここで大事なのは、「守」ができるかどうかです。
それにはやはり「守」を実践する大切さと、心の素直さが必要となります。
指使いを守る「守」についての必要性を話さないと、守ろうという意思は出てきません。
声かけにも工夫が必要ですね。
例えば、
「○○ちゃん、今は上手に弾けるための指使いを覚えている時だよ。大きくなったら、自分でどんな指使いが良いか考えるのだけれど、まずはまねっこの指で弾くのが上手に弾ける近道だよ。漢字ドリルでも最初は・・・・をなぞるでしょう?」
と伝えれば納得してくれるかもしれません。
そこから先は、素直さにも左右されます。
真似て、思考して、答えを出す。そんな、主体性を持った生徒が増えるよう、
指導していきたいですね。